2018年1月17日 第3回対談
PAIR×STORY
STORY代表 小川真帆美氏
司会業を通して様々な人の物語を彩りたい・・・そんな想いで生まれた「STORY」
マイクを持っている自分が一番輝いている。そんな輝ける場所にずっと居たい。
「私」という存在を好きでいてくれる人 認めてくれる人の役に立ちたい。
そんな真っ直ぐな想いを伝えてくれたのは「STORY」代表である「小川真帆美さん」
彼女との出会いは、10数年前になる。ある研修で同じグループになり半年間、共に学んだ。
知的で美しくそれでいて「やりたい事」「掴みたい事」は必ず手にしてきたという凛とした視線をくれる彼女から今回の対談も深く学ぶべき人生観があった。
まず印象に残ったのは彼女の言葉から繰り返し出たこのフレーズ
「絶対にやりたいと心底念ずることは叶う」
彼女の経歴は人から見ると非常に華々しい印象に映る。
学生時代の留学経験で培った英会話をベースに貿易会社に3年。年に2回はアメリカに買い付けに行き、海外での商談や通訳と貿易事業に携わる一連の経験を経ながらも、さらなる自己成長への欲が生まれた。
続いて飛び込んだ世界は空港。お客様第一主義を目指している為、空港スタッフには厳しいトレーニングやあらゆる施策が取られるという「関西国際空港」。
競争率の高いその面接にクリアした理由は彼女曰く「自身の想いをストレートに表現したから?」と。
日本では人の顔色を伺がって言葉を選んでしまうシーンにおいても彼女のスタンスは崩れない。
英語で質問する面接官に対して「あなたの英語が聞き取りずらくて分からない。もう一度言ってください」と強気に言い放つ。
そう言った自己表現を物怖じせずやってしまえるのは真帆美さんの「何でも欲しいものは自分で取りに行く」いうブレない生き方からなのかもしれない。
そこで学んだノウハウやスキルが現在のベースとなるほど、今までかつて無いほど日々、学び続けたという。
そんな関西国際空港での多種多様な業務を経て数年がたったのち、彼女にまた新たな火が付く。
「ここで吸収出来る全ての知識を得たから辞めたいです。」
「そこまで言われたん初めてや。好きなことしい。」と当時の上司は背中を押してくれた。
ここに至るまでの経歴を見ても、十分に輝けるステージに立っているとイメージ出来る客観的視点とは裏腹に彼女は、自分が輝ける次なるステージを探し続けていた。
その後、旅行専門学校の教育に携わる講師活動を数年経て、ある求人に目が留まる。
「大手企業の秘書」だった。
「自分の今まで培ったすべてを活かせる仕事。今の起業のきっかけにもなっているかもしれない。それが秘書だった。」
その想いを胸に、また彼女は競争率の高い秘書職を掴むための面接に挑む。
面接後、先方の人事部長からの連絡があった。「営業事務職はどうですか?」という提案だった。
彼女は、迷うことなく答えた。
「私は秘書がやりたい。なので秘書以外は興味がありません。営業事務職ならお断りします。」と。
その一時間後、「明日から来てください」との連絡があり秘書として採用になったという。
後ほど、人事担当から伝えられた採用の理由は「そこまではっきりと断った人は初めて」と。
そこには、彼女の無意識かつ意識的な自分を売り込むという術が実は含まれている。
どこに居ても、「目立つ」じゃないけれど「どこかに印象を残さなければ選ばれない。」「狙った獲物は逃さないという言葉があるけれど、私の場合はまさにそれ。絶対に欲しいと思ったものは掴みに行く。過去に、「念ずれば叶う」という言葉を幾度となく聞いてきた。その時は、そんなの絶対嘘やん。自分ら成功してるから言うだけやん!と心の中でずっと思っていた。世の中に失敗している人がこんなに沢山いるのに・・・・」
しかし、彼女は今胸を張って言い切る。
「何事も本気で掴みたいと思ったら、必ず掴める。私は必ず取りに行ける」
それはただの「負けん気」や「変な自信」「根拠のない自信」「運も良い」それが今は肯定に向いているのかな・・・と屈託なく、投げてくれる彼女のそんなメッセージがこんなにも心を打たれるのは、彼女が本当に理想とする自分のステージを自分の力で勝ち得ているそんな事実があるからなのかもしれない。
その秘書経験を通して、彼女は更に自己実現への階段をまた一つ上がることになる。
様々な経験や研修参加、幅広い経営者との繫がりを構築して7年が過ぎた。
彼女は、会社の全てを熟知するまでの存在になっていた。
この頃から、いつか司会者として立ちあの舞台をやりたい!というステージを目にする事になり、周囲の人間にも「私、いつか必ずあの司会やってみせる」と公言していたという。
そんな想いが交錯する中、何度も想いをめぐらし、答えが見つかったわけではないタイミングだったが
「今の自分があるのは社長のおかげ」
というこの想いを持ちながらも、彼女は先の事は何も考えず秘書業を終える事になった。
このとき、起業する事になるという事も一切頭にはなかったという。
彼女には、もう一つの肩書がある。
書家 「小川華千」さん
彼女の「書」に感銘を受けた経営者からのオーダーや彼女の心遣いから贈った「書」に歓びの声が上がることが増え、書道家としての仕事も舞い込むようになる。
「字」を書く事
「マイク」を持つこと
これが私の輝く舞台なんだ
ここで、周囲からの背中を押す声もあり、司会業をメインとした「STORY」という会社が誕生した。
司会業には様々な依頼がある。各地域で行われるイベントや外国人をゲストとする音楽会や結婚式に鶯嬢。更にはお葬式などの司会も手掛ける。まさに、人生においての人の人生をつぶさに見る立ち位置でマイクを持ち彼女は何を思うのか。
「もちろん、司会の台本は準備されているけれど私は全て自分で考える」
彼女はその場、その状況、その人の人生にふさわしい一言一句を毎回、自ら考えると言う。
「人に出来て自分に出来ないことはない」と常に挑戦心溢れる一面がある傍ら、人を想い、人に寄り添い、人の気持ちが和らぎ、人が輝ける空気を彼女が贈れる言葉とふさわしい声のトーンで創り上げる。それがまさにプロとして貫く彼女の姿勢だ。
どこまでも、真っ直ぐに自身の理想と輝けるステージを掴む芯の強さの裏には、ただならぬ苦しみを乗り越えた果てに備わったものだと彼女は伝えてくれた。
真帆美さんは、幼い時に父親を亡くしている。
「人生においてこれ以上に苦しいことはない事を経験した」
決して、かわいそうという憐みの目を向けられたくない。
「父親が居ないから・・・」と指を差されるような事をしないでという母の言葉が今も胸にあるという。
幼い時に父親を亡くしてから人の「死」について向き合わざるを得なかった彼女は常に死生観を誰よりも持ち生きてきたのかもしれない。
真帆美さんは言葉を大切にしながら伝えてくれた。
私を見て「強いね」という人が居るのはきっとその経験からくるものだと思う。
実際、「強く見せている」というのはあるけれど、「強くならざるを得ない」という状況で育ってきたという事とそこには「負けてたまるか」という想いがあったと。
本当に「明日死んでも良い人生やったな」と「あれもこれもしたかったと心残しに思う時間の過ごし方はしたくない」
一瞬一瞬の時間も充実したとても有意義な時間だったと思える生き方をしたい。
きっとそう願っている人は世の中に沢山いるだろう。
恐らく、ほとんどの人間が「後悔のない人生を」と願っている。
しかし、彼女の言葉の本質は願望ではなかった。
人生にこれ以上ない悲しみを経て彼女はそこから決意した生き方をまさに真正面に貫いている。
いつもキラキラしていたいと話す彼女は、前を向き苦しみを力に変えたこの自分の人生を本当に大切に生きているのだと痛感した。
彼女の描く未来は果てしない。
自分でしか出来ない事をしていきたい。一人の司会者として終わりたくない。
私にしか書けない「書」私にしか伝えられない物語
それらを追及していく事に目を向けていきたい。
今後もSTORYは
「書」と「声」であなたの想いとなる物語をお届けし人に幸せを与える会社に成長していく
自由に生きる「欲」 あれをしたいと思う「欲」これを掴みたいと願う「欲」
今、少し熱を込めた言葉を投げると「熱いっすね」とどことなく引かれるような さめたような反応を返される場面も少なくない世の中や人の集まりの時代だと感じる中で
「私、欲が深いからなー」
と笑いながら伝えてくれる彼女に尋ねた。
「その多くの欲を生む根源はどこから来るのか?」
答えはシンプルだった。
「好きな事をしたい」「自由に生きたい」から。
そう。人は色々な理由を重ね自由を奪われたような生き方に苦しんでいると嘆く人が居る中
彼女は自分の人生の物語を、実は自分がその気にさえなれば自由に好きなように描けることを知っているのだ。
そんな彼女がこれから進んでいきたい世界は無限大にある。
いつか海外で子供たちに「書」を教えたりお酒のラベルを書く仕事もしたい。
自分が商品だから自分にしか書けない「字」を広めていたい。
ただ、私は字が綺麗なわけではない。
綺麗に書く方法を知っているだけ。その方法を色々な人に伝えていきたい。
それらが彼女がイメージするこの先の展望。
自由に何にも縛られず生きたいように生きている彼女の道は、わがままではなく、やはり人を笑顔にしたり 誰かに生きる力を与える道だった。
彼女から伝えられたメッセージは、強くて真っ直ぐでそしてとても愛に溢れていた。
帰りの車で何度も彼女の言葉がフラッシュバックする。
「いつも楽しんできた!どんな時もね」
そう。私も楽しく生きたい。自由に自分の描く未来を 自分の与えられる価値を迷うことなく前へ。
真帆美さんの大切な人生経験や価値観をお話しくださった事に心からの敬意と感謝の気持ちをもって今後の彼女の活躍を祈念したい。
人の人生の物語は、十人十色。
あなたは、どんな人生を生きますか?